2008-01-01から1年間の記事一覧

夜想

●「夜想」 第34号 特集「パペット・アニメーション」 1998年7月刊 第35号 特集「チェコの魔術的芸術」 1999年7月刊 出版社: ペヨトル工房 定 価: いずれも1200円 人気が継続している人形アニメーションについて、まとまった情報が得られる文献は現在でも…

アニメ批評のエクソダス

●季報「唯物論研究」第104号 特集「アニメ批評のエクソダス」 発 行: 季報「唯物論研究」刊行会 刊行年: 2008年 定 価: 1200円 今、ちまたで話題沸騰中の本誌。 まだすべてのテキストを熟読していないので、総括的な発言にとどめようと思うが、熟読した上…

The Fleischer Story

●「The Fleischer Story in the Golden Age of Animation」 著 者: Leslie Cabarga 出版社: Nostalgia Press 刊行年: 1976年 1920〜40年代、ディズニーの最大の好敵手だったフライシャー兄弟の業績の全貌を知ることができる、アメリカアニメーション史研…

デジタルアニメマニュアル

●「デジタルアニメマニュアル 2004−2005」 編 者: 東京工科大学 片柳研究所 クリエイティブ・ラボ 発 行: 同上 刊行年: 2005年 東京工科大学が発行した、デジタルアニメに関する総合マニュアル。 フルタイトルは、「プロフェッショナルのための デジタル…

持永只仁自伝

●「アニメーション日中交流記 持永只仁自伝」 著 者: 持永只仁 出版社: 東方書店 刊行年: 2006年 定 価: 2381円 日本の人形アニメーションのパイオニア・持永只仁(1919〜1999)の「自伝」 これまで、持永についての著作・資料は、いくつかのインタビュ…

アメリカで日本のアニメは、どう見られてきたか?

●「アメリカで日本のアニメは、どう見られてきたか?」 著 者: 草薙聡志 出版社: 徳間書店スタジオジブリ事業本部 刊行年: 2003年 定 価: 1800円 東映動画長編第1作の『白蛇伝』、テレビアニメ『鉄腕アトム』や『マッハGoGoGo』など初期作品、『…

アートアニメーションの素晴らしき世界

●「アートアニメーションの素晴らしき世界」 出版社: エスクァイア マガジン ジャパン 刊行年: 2002年 定 価: 1380円 海外を中心とした、いわゆるアートアニメーションのガイドブック的な文献はいくつかあるが、その中でも本書は密度が濃く、また盛りだく…

現代漫画博物館

●「現代漫画博物館 1945-2005」 編 者: 小学館漫画賞事務局 出版社: 小学館 刊行年: 2006年 定 価: 4200円 日本のアニメと漫画との密接な関係については述べるまでもなく、したがってアニメーション研究にあっては、漫画関連の文献に眼を通す機会が多い…

SFアニメ大全集

●「SFアニメ大全集」(別冊奇想天外 No.11) 出版社: 奇想天外社 刊行年: 1980年 定 価: 1000円 奇想天外別冊として刊行されたA4判のムックだが、マニアックな記事やデータが満載されており、古い文献ながら、読み応え十分。 竹宮惠子、松本零士、手…

Jiri Trnka

●「Jiri Trnka Artist & Puppet Master」 著 者: Jaroslav Bocek 出版社: Artia 刊行年: 1965年 古典的文献だが、人形アニメーションの巨匠、イルジ・トルンカの総合的研究書として、現在でも活用されている。 内容は、まさにトルンカの全業績を網羅して…

宮崎駿研究

もはや宮崎駿研究は、多くの専門家やマニアがいるし、私の出番はないだろうが、今、宮崎作品がらみの仕事を進めていることもあるので、古典的文献を中心に、いくつか挙げてみたい。 ●「宮崎駿イメージボード集」 著 者: 宮崎駿 出版社: 講談社 刊行年: 19…

世界のアニメーション作家たち

●「世界のアニメーション作家たち」 著 者: 小野耕世 出版社: 人文書院 刊行年: 2006年 定 価: 2800円 <画像は後で添付> 長年、海外(特にアメリカ)のコミックスや、アニメーションを紹介してきた小野耕世が、30年間にわたるアニメーション作家へのイ…

デジタルコンテンツ白書

●「デジタルコンテンツ白書2007」 編 者: 財団法人デジタルコンテンツ協会 出版社: 同上 刊行年: 2007年 定 価: 6000円 今年度版もまもなく刊行されると思うが、昨年度版をここで紹介しておきたい。 私のように、教員職のほか、単行本や論文を執筆す…

Animation in Asia and the Pacific

●「Animation in Asia and the Pacific」 編 者: John A. Lent 出版社: Indiana University Press 刊行年: 2001年 アメリカにおけるアジア地域の漫画・アニメーション研究者として知られるジョン・レントが編集した、アジア・太平洋地域のアニメーション…

自著 「アニメ作家としての手塚治虫」

富野由悠季関連の文献を紹介したところで触れたので、再び自著の紹介。ご容赦いただきたい。 ●「アニメ作家としての手塚治虫」 著 者: 津堅信之 出版社: NTT出版 刊行年: 2007年 定 価: 2400円 日本の戦後アニメ界の流れには東映動画系と虫プロ系があ…

富野由悠季全仕事

●「富野由悠季全仕事」 監 修: 富野由悠季 出版社: キネマ旬報社 刊行年: 1999年 定 価: 2800円 富野由悠季監督はアニメ情報誌や映画雑誌等で膨大なインタビューやコメントを出している。作品作家研究において、そのすべてに眼を通す必要があるかどうか…

アニメ大好き!

●「アニメ大好き!」 編 者: 池田憲章 出版社: 徳間書店 刊行年: 1982年 定 価: 980円 最近、大学などでアニメ史を教えていて痛感するのだが、例えば『機動戦士ガンダム』について、「思い入れもないし、なぜエポックになったのか、わからない」という学…

サンライズ全作品集成

●「サンライズ全作品集成 SUNRISE CHRONICLE 1977〜2007」 編 者: サンライズ企画室ほか 発行者: サンライズ 刊行年: 2007年 非売品 アニメ制作会社の社史というものはいくつかあるが、おそらくこれほどの規模・内容のものは、いままでなかっただろう。し…

岡本忠成作品集

岡本忠成(おかもと・ただなり、1932〜1990)というアニメーション作家の名を知らなくとも、NHKみんなのうた「メトロポリタン・ミュージアム」(1984)と言えば、「ああ、あの可愛い人形アニメーション!」と思い出す人は少なくないだろう。 それほどまで…

花田清輝という批評家

日本における前衛文学の旗手であり、戦後最大の知性とも評された、作家・批評家の花田清輝(はなだ・きよてる、1909〜74)は、1950〜60年代、文学者が大量に映画批評に参入していた時期において、最も精力的に映画批評に取り組んだ一人である。 しかし、吉本…

Experimental Animation

著 者: Robert Russett, Cecile Starr 出版社: Da Capo 刊行年: 1976年(1988年再版) タイトルのとおり、各国の実験アニメーション作家のプロフィールと業績、インタビューなどを収録した、海外アニメーション研究の基本文献の一つ。 収録作家は、ワルタ…

ディズニー研究

ディズニーは、良くも悪くも今日のアニメーションの基本形を構築し、また特に1928年のミッキー誕生以降、そして1937年の『白雪姫』以降、世界中のアニメーションに影響を及ぼし、それは現在に継続している。 したがって、その研究も世界レベルで継続している…

新映画事典

編 者: 淺沼圭司ほか 出版社: 美術出版社 刊行年: 1980年 定 価: 4900円 映画にまつわるさまざまな事象、事例をとりあげ、「読む」ための事典として編集された、広く映画学の基礎知識習得には好都合な書。 映画理論から映画の種類、表現手法、映画史など…

自著 「日本初のアニメーション作家 北山清太郎」

このブログでは、原則として私的なことは書かないことにしており、その延長として、自著のことは書かないつもりにしているのだが、少しタイムリーな話題でもあるので、お許しいただきたい。 ●「日本初のアニメーション作家 北山清太郎」 著 者: 津堅信之 出…

雑誌「アニメーション」

いわゆるアニメ情報誌は、現在でも老舗の「アニメージュ」を含め数種類が刊行されているが、最初の商業誌としてのアニメ情報誌は、「OUT」(1977年3月創刊)である。ついて、「アニメージュ」(78年6月創刊)、「アニメック」(78年12月創刊)という具…

アニメーションの起源とは・・・

アニメーションの起源として、決まって、フェナキスティスコープ(驚き盤)、ゾートロープなどの、いわゆる映像玩具や、幻燈、写し絵などの原始的な映写装置が挙げられる。 確かにこれらの装置は、「止まっている絵を動いてみせる」ものであり、アニメーショ…

Full Length Animated Feature Films

著 者: Bruno Edera 出版社: Focal Press 刊行年: 1977年 かなり古くなったが、タイトルのとおり、世界長編アニメーションの総説。 著名なアニメーション史研究家、ブルーノ・エデラによる名著である。 長編アニメーションと言えば、アメリカと日本が大国…

日本映画発達史

著 者: 田中純一郎 出版社: 中央公論社 刊行年: 1980年 日本に映画が輸入され、国産が実現してからのすべての事項を収録した、日本映画史研究の基本中の基本図書。全5巻。 アニメーションに関係する内容もかなり多く盛り込まれてあり、現在でも、本書に…

The Animation Book

著 者: Kit Laybourne 出版社: Three Rivers Press 刊行年: 1998年 簡単に言えば、アニメーション制作のハウツー本だが、425ページもの大部で、もちろん単なるハウツー本ではない。 多くの実作品やクリエイターを実例として挙げて、その制作法の解説(と…

タツノコプロ研究

タツノコプロは、東映動画(東映アニメーション)、虫プロダクションなどと並ぶ老舗スタジオだが、他の大手スタジオとは異なり、ほぼ一貫してテレビアニメにこだわり、かつ原作つきではなくオリジナルの作品を多く送り出してきた点で、まさにテレビアニメの…