新映画事典

 
 編 者: 淺沼圭司ほか
 出版社: 美術出版社
 刊行年: 1980年
 定 価: 4900円
 
 
 
 映画にまつわるさまざまな事象、事例をとりあげ、「読む」ための事典として編集された、広く映画学の基礎知識習得には好都合な書。
 映画理論から映画の種類、表現手法、映画史などのほか、映画と現代社会、映画製作と制度、映画と観客、そしてアニメーションなどについてもそれぞれ1章を設けて解説している。
 1980年出版なので、多くの項目、特にアニメーションの内容などはかなり古くなっているし、全520ページのうちのわずか15ページしかない「アニメーション」の項よりも、映画前史、ドイツ表現派、社会主義リアリズム、プロキノと傾向映画など、アニメーションを考える上でも欠くことのできない領域の基礎知識が盛り込まれている点に注目したい。
 
 図書館では普通に閲覧できると思われるが、何かと便利な本なので、映画・アニメーション研究にあたっては、ぜひ1冊手元に置きたい。
 現在は古書で買い求めるしかないが、比較的入手しやすい。