2024-01-01から1年間の記事一覧

長編アニメーション『ロボット・ドリームズ』 静かな話題の拡がりをどう考えるか

スペイン出身のパブロ・ベルヘルの脚本・監督作品、長編アニメーション『ロボット・ドリームズ』 公開から1ヶ月過ぎたが、単館のみならずシネコンを含め、上映が続いている。 端的にいえば、アニメファン向きの作品ではない。というか、海外制作の長編アニ…

長編アニメ『トラペジウム』を見て

今年の新千歳空港国際アニメーション映画祭で特別上映された長編アニメ『トラペジウム』 今年5月からの一般公開では見逃してしまっていた。ちょうどよい機会だと、新千歳で鑑賞したので、その印象を書いておく。 -----------------------------------------…

第11回 新千歳空港国際アニメーション映画祭

恒例の北海道・新千歳空港国際アニメーション映画祭、11月1日から5日にかけて開催された。やや遅くなったが、ここで印象をまとめておく。 今回で11回目を数え、すっかり定着した感がある新千歳である。 グランプリなどを決定するコンペティションから、特…

山田尚子監督『きみの色』を鑑賞して感じたこと

山田尚子監督の最新作『きみの色』が公開されて1ヶ月が過ぎた。本稿では、作品への直接の論評は控えめにしながら、作品を鑑賞して感じた諸事項を書いてみた。-------------------------------------------------------------------------------------- 手塚…

ひろしまアニメーションシーズン2024に参加して(後編)

ひろしまアニメーションシーズン2024、リニュアル後の第2回アニシズについて、前編に続き、上映作品や受賞作について述べる。章番号は前編からの連番になっている。 4)どんなコンペ作品が集まったか カンヌ国際映画祭に「ある視点」というカテゴリがある…

ひろしまアニメーションシーズン2024に参加して(前編)

旧・広島国際アニメーションフェスティバルからリニュアルされた「ひろしまアニメーションシーズン」 8月14日から18日まで、5日間にわたって開催された。今回で2回目となる。前回、第1回はコロナ禍の2022年開催で、移動制限が厳しく、海外からの来場者が…

さらに有意義なアニメ史議論へ -「アニメマニアが語るアニメ60年史 1963~2023」小黒祐一郎

今年5月の発刊で、少し時間が経ってしまったが、本書について所感を書いておきたい。 本書は小黒祐一郎氏が2度のトークイベントで語った内容を文字化、書籍化したもので、小冊子だが、内容は「アニメマニアが語る」のタイトルのとおり濃密だ。 トピックは…

比類なき長編アニメーション映画祭 ―― 第2回新潟国際アニメーション映画祭を見て(後編)

3月15日~20日まで開催された第2回新潟国際アニメーション映画祭(新潟フェス)について、前編ではコンペティション部門への応募作が大きく増え、国際映画祭として高く評価できる点を書いた。 後編では、コンペ作について、具体的に述べてみたい。 全12作…

比類なき長編アニメーション映画祭 ―― 第2回新潟国際アニメーション映画祭を見て(前編)

3月15日~20日まで、第2回新潟国際アニメーション映画祭(新潟フェス)が開催された。 昨年の第1回では、世界的にも非常に珍しい長編アニメ専門の国際アニメーション映画祭ということで注目を集めた。第1回の論評もこのブログで書き、その最後に、国際映…