●「The Fleischer Story in the Golden Age of Animation」
著 者: Leslie Cabarga
出版社: Nostalgia Press
刊行年: 1976年
1920〜40年代、ディズニーの最大の好敵手だったフライシャー兄弟の業績の全貌を知ることができる、アメリカアニメーション史研究の基本中の基本文献の一つ。
やや古くなったが、フライシャー兄弟の生い立ちからスタジオ成立、ベティ・ブープやポパイ、スーパーマンなどの人気キャラクター登場、そしてスタジオ終焉に至るまで、極めて多くの図版とともにまとめられている。
本編最後近くには、兄のマックス・フライシャーの、小さな小さな訃報記事が掲載されているのが印象的だ。(弟のデイヴ・フライシャーの死去は本書刊行後の79年)
巻末には「Out of the Inkwell」以降の、フライシャー・スタジオのフィルモグラフィーが掲載されている点もありがたいが、掲載情報は作品タイトルと完成年月のみ。もう少し詳しいスタッフリストとともに、ページを割いてほしかった。
1988年に再刊されているが、どちらも古書としてブックファインダーで購入できる。価格は5000台からで、やや高いが、購入して損はない。