著 者: 田中純一郎
出版社: 中央公論社
刊行年: 1980年
日本に映画が輸入され、国産が実現してからのすべての事項を収録した、日本映画史研究の基本中の基本図書。全5巻。
アニメーションに関係する内容もかなり多く盛り込まれてあり、現在でも、本書に記述されている内容がオリジナルとして使えるという事項も少なくない。
研究室には必須の文献だが、なにしろ5巻セットの大部なので、個人で保有するには、アニメーションのどの時代・分野を研究対象とするかによって、必要性には差があるかもしれない。
少なくとも、歴史研究にあっては必要性が高いし、アニメーションも「映画」であり、映画史がまずあって、その中にアニメーション史があるという基本認識に立てば、本書の重要性もさらに増すだろう。
田中純一郎という個人の筆致によるものなので、個々の記述内容にはいろいろ疑問・批判もあるようだが、それはいわば当然のことであって、本書を出発点として、自身の研究を深めるというのが本筋である。
古書市場でも、それほど高くない。
全巻セットでも、1万円前後で購入可能である。