編 者： 高橋和光ほか
出版社： バンダイ
刊行年： 1993年
定 価： 3200円
アニメの出版界では、ムックという形態で出版されるものが多くあり、徳間書店の「ロマンアルバム」シリーズなどが著名だが、資料として活用しようとすると、意外に役に立たないものが少なくない。
「ロマンアルバム」には例外もあるが、ようするに、作品の名場面集というか、キャラクターのポーズ集というか、「写真集」になってしまっているムックが多いのだ。
そうした中で、この「魔女っ子大全集」は、ずば抜けた出来の資料集で、『魔法使いサリー』以来の「魔女っ子アニメシリーズ」研究には必須・必携の文献である。
収録作品は、『魔法使いサリー』『ひみつのアッコちゃん』『魔法のマコちゃん』『さるとびエッちゃん』『魔法使いチャッピー』『ミラクル少女リミットちゃん』『キューティーハニー』『魔女っ子メグちゃん』『花の子ルンルン』『魔法少女ララベル』『ひみつのアッコちゃん（新）』『魔法使いサリー（新）』、そして『美少女戦士セーラームーン』である。
各作品とも、名場面やキャラクター画集的なページもあるが、Ａ４判175ページの大半は、企画書等をもとにした作品解説、キャラクター表、なんと全作品全話のあらすじと主要スタッフ名の一覧、そしてシリーズを支えた主要スタッフ（プロデューサー、脚本、演出、作画、美術まで）のプロフィールとインタビューまで、徹底的に「調べる」ための資料集という体裁を貫いている。
そうした文献なので、もともと定価も高いが、絶版後の現在にあっては、入手は困難になっている。まんだらけのような専門店では時々見かけるが、5000円程度の高値がついていることは覚悟しなければならない。
しかし、5000円だろうが１万円だろうが、この資料集を手元に置かなければ、魔女っ子アニメシリーズ研究は始まらないと断言してよかろう。
