東映アニメーション、虫プロダクション、タツノコプロなどと並び、『オバケのQ太郎』、『巨人の星』、『ルパン三世』、『エースをねらえ!』、『ガンバの冒険』などの作品で、日本の初期テレビアニメ史に大きな足跡を残した東京ムービー(現 トムス・エンタテインメント)は、以下の2つの資料集でその全貌を把握できる。
●「東京ムービー・アニメ大図鑑」
監 修: 東京ムービー新社
出版社: 竹書房
刊行年: 1986年
定 価: 15000円
東京ムービー設立20周年を記念して出版された資料集。箱入りで、256ページ。
内容は、代表作のカラー図版が巻頭を飾り、あとは各作品の概要が整理されている。テレビアニメシリーズについては、全話のサブタイトルと放映年月日が一覧表で整理されているが、肝心のスタッフは主要スタッフのみで、サブタイトル一覧表には各話脚本家しか明記されていない。
一部作品の企画書なども再録されているが、『パンダコパンダ』や『ルパン三世』劇場版など、劇場作品については、あらすじのみで主要スタッフさえ明記されていない作品も多く、全般的に網羅性に欠き、研究上の資料としては不十分な作りになっているのが残念だ。
●「東京ムービー アニメ大全史」
監 修: 東京ムービー
出版社: 辰巳出版
刊行年: 1999年
定 価: 2300円
一方こちらは、設立35周年を記念して出版されたムック。全175ページ。
竹書房版と比べて図版が多く掲載されており、また99年までの作品も追えるが、やはりテレビアニメについては、サブタイトルや放映年月日は明記されているものの、スタッフ標記が乏しい。
どちらも、まんだらけ等で比較的みかけるので、入手は難しくないが、前者はもともとが高いので古書市場でも高いことが多く、内容的には、後者を持っていれば、おおむね事足りる。