広島フェス 論評記事

 先日終了した、第16回広島国際アニメーションフェスティバルに関して、どちらかというと論評記事になるのだが、「アニメ!アニメ!」にて発表した。
 
 http://animeanime.jp/article/2016/08/25/30160.html
 
 字数制限もあり、十分書ききれなかった部分もあるが、私がもっとも強調したかったのは、「上映」という手段の位置づけや役割が、ここ数十年を経てずいぶん変わったはずなのに、相変わらず上映を中心に、というか上映ばっかりをやっている点である。
 短編アニメーション作家の地位向上を図り、その手段として広島フェスを活用するのであれば、現在のやり方では実現困難だろうと思う。現状は、作家たちの交流の場にとどまっており、それはそれで良いのだが、少なくとも、バイヤーや配給業者、プロデューサーなど、買い手を引きつけ、フィルムマーケットが形成される場でありたい。
 そのための一手段として、テレビ、劇場、ウェブ、CFなど、商業アニメ界との連携を図る方法を考案するべきではないだろうか。
 それから、これも「アニメ!アニメ!」の論評記事には書かなかったが、晴れてコンペティションに入った日本人作家8名(7作品)のうち、3名が会場に来ていなかった。栄えあるコンペ上映に、国内開催であるにもかかわらず作者が3人も来ていないというのは、私にとってはちょっとしたショックだった。しかも欠席3人(3作品)のうち1作品は、結果的に受賞している。
 広島フェスが、肝心の国内の短編アニメーション作家にとっても、(本業など)何を置いても優先して参加すべきだと考える場になっていないのではと危惧するのだが、これは的外れ、考えすぎだろうか。