●「文藝春秋デラックス アニメーションの本」
構 成: 手塚治虫
出版社: 文藝春秋
刊行年: 1977年
定 価: 1300円
かなり古いムックだが、けっこう盛りだくさんの内容で、何かと役に立つ。
当時流行のテレビアニメに関する話題も含まれているが、大半がかなりマニアックというか、海外のアニメ事情(アメリカ、中国、東欧など)とか、国内の個人制作作家(久里洋二、月岡貞夫、田名網敬一など草月系の作家が中心)、アニメの歴史、CFアニメ傑作選、アヌシー国際アニメーションフェスティバルのリポート、そして写し絵の紹介ページまで、専門家寄りの記事が多い。
珍しいところでは、作曲家・冨田勲によるアニメBGM(事実上、手塚治虫との仕事について)のエッセイ、「裏方もまた楽し テレビアニメの内幕」というタイトルで、高橋良輔、光延博愛、柴山達雄、中村和子ら4人の座談会が収録されているところだろう。
以上のように、ざっと内容を書き出しただけでも、かなり盛りだくさんのムックだということがお分かりいただけるのではないだろうか。
古い文献だが、アニメ・映画系に強い古書店では比較的よくみかける。値段もさほどではない。