ロシアアニメーション事情2冊

 
 ●「ロシア・アニメ」 ユーラシア・ブックレット74
  著 者: 井上 徹
  出版社: 東洋書店
  刊行年: 2005年
  定 価: 600円
 
 ●「アニメの詩人ノルシュテイン」 ユーラシア・ブックレット95
  著 者: 児島宏子
  出版社: 東洋書店 
  刊行年: 2006年
  定 価: 600円
 
 
 
 ロシア事情に詳しい2人によるロシアアニメーション事情の2冊。いずれも、A5判・60ページあまりという小冊子ながら、お買い得。
 前者は「アヴァンギャルドからノルシュテインまで」とサブタイトルがあるとおり、スタレヴィッチから最近の事情まで、ロシアアニメ小史という構成になっており、後者はノルシュテインの通訳を長く務める著者ならではのノルシュテイン評伝になっている。 
 ただ、前者は2005年に執筆されたということもあるので、最近史にもう少しページを割いて欲しかった。「1980年代から現在まで」という最終章が、バルディン、ナザーロフ、ペトロフの3人とその周辺を短文で済ませているのは、ものたりない。
 それでも、ロシアアニメ入門編としては、適当な内容。これを発端として、細部の是非については、海外文献を含めて進んでいきたい。
 そういう意味では、ぜひとも参考文献リストが欲しかった。(「ノルシュテイン」本には参考文献リストがある)