「国際アニメーションフェスティバル」と銘打つ映画祭は、国内外で無数にあるが、その中でも、「4大メジャー」と呼ばれる映画祭がある。それが、フランスのアヌシー、クロアチアのザグレブ、カナダのオタワ、そして広島で開催されるアニメーションフェスティバルである。
その広島国際アニメーションフェスティバルが、今回で第12回目を数え、きょうから広島市で開会した。
●「第12回広島国際アニメーションフェスティバル公式ガイドブック」
編 者: 広島国際アニメーションフェスティバル実行委員会
出版社: 同実行委員会
刊行年: 2008年
映画祭の公式ガイドブックとは言っても、全194ページ、5日間にわたる映画祭で上映される数100本のアニメーションの図版やプロフィールが掲載され、後日資料として役立てるのに都合がよい。
広島映画祭は2年に1度開催されるが、私は、1987年開催の第2回大会以来欠かさず参加しており、不参加だった第1回のガイドブックも持っているので、これらは現在でも活用する機会が少なくない。
今大会の詳細は、以下の公式HPを見ていただきたい。
http://hiroanim.org/
予備知識がなくては、これを見ただけでは、いったいどういう映画祭で、何を見ればいいのかがよくわからないと思う。広島市が主催ではあるが、実務はボランティアに頼って運営されているような映画祭なので、HPもなかなか充実しない。
もし、1日とか半日とか参加してみたい人は、ぜひ初日から第4日まで毎日夜に組まれているコンペティション(公開審査)を覗いてみるといい。
国際映画祭なので、毎回、世界中から新作のアニメーションが出品され、その中からグランプリを選出する。今大会では、実に1656本もの作品の応募があり、その中から一次選考を経てチョイスされた76本が、この4日間で本審査(つまりコンペティション)にかけられる。
いわゆるアート系作品が主体で、難しい顔をして見なければならない作品も多いのだが、映画祭の雰囲気を味わうには、コンペティションは最適だ。
あとは、今年は手塚治虫生誕80周年にあたっており、手塚はこの映画祭でも受賞歴、審査員参加歴があるので、今大会では、第4日目の8月10日午後に特別プログラムが組まれている。
このトークショーでは、なんと、杉井ギサブロー、富野由悠季、りんたろう、出崎統、そして高橋良輔という、虫プロ系アニメ監督5人が勢ぞろいする。国内の他のイベントでも、この5人が勢ぞろいするのは、極めて稀だろう。
お近くの人は、ぜひ今からでも会場に足を運んで欲しい。