著 者: Richard Taylor
出版社: Quarto Inc.
刊行年: 1996年
アニメ制作ハウツー本の英語版。
同種の文献は、もちろん海外でも多く出版されており、私もいくつか持っているが、わかりやすさと、ページをめくっているだけで楽しくなるという意味では、本書が最も優れていると思われる。
セルアニメから、立体アニメ、切り紙アニメ、油絵や砂などの特殊な素材を使ったアニメまで、さまざまな手法について、豊富な図版とともに、非常に解りやすく解説されている。
175ページにおよぶほとんどのページに図版が掲載され、しかもほぼ全ページカラーというのも素晴らしい。正直なところ、文章を読まなくても、図版を眺めているだけで、制作手順が何となくわかってしまうほどである。
研究者の立場で本書を役立てるとすれば、アニメーションのさまざまな用語について、「英語ではどう言うんだろう」というときの「事典」として役立てるというものである。アニメのさまざまな技法、用具、素材について、参照することができる。
海外文献を読んだり、自分の論文を英訳したり英文サマリーを作成したりするときには、大いに活用できると思われる。そんなときのために、ぜひ1冊手元に置きたい。
定価もさほど高くはなく、24.95USDだが、ネットで探して、もっと安く購入することも可能である。